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「あんず、起きてる?」 「んー、起きてない」 「起きてるじゃん」 「どうしたの?」 「夕飯だよー」 「あー、うん。起きるよ」 「飲み過ぎでダウンだって?ソユンが言ってたよ」 「だね。飲み過ぎたのは認める」 「珍しいね」 「酒のツマミが最高過ぎて」 「ソユンの顔?」 「うん」 「重症だな」 サヨはドアに寄りかかりながら、私を見て笑っている。 窓の外に目をやると、薄暗くなっていた。 「撮影は終わったの?」 「今日の分は上手くいったみたいだよ」 「そっか。それは良かった」 「夜はバラエティ番組の撮影をするってさ」 「働くよねー」 「あと3日の滞在だから、時間との戦いだ!ってチェンさんが言ってたよ」 「みんなの尻を叩くチェンさんが浮かぶわ」 「ほら、起きて。ご飯食べに行こうよ」 「うん」 寝起きの私はヒドイ顔をしている。 シャワーを浴びたいところだけど、サヨを待たすのも気がひけるから、冷たい水で顔を洗うだけに留めた。 もう夜だし、スッピンで良いよね? いや、良くないか。 軽く化粧を施し、シワシワの服を脱いだ。 テヨンさんから渡されたノースリーブのワンピースを頭から被り、サンダルを履く。 髪は軽くハーフアップに結び、いつもの高級ミニバッグを提げ、部屋を出た。
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