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セブ島バカンスに文句をつけるソユン。 あのね、前提から違うのよ。 バカンスじゃなく、お仕事だからね。 しかも、移動する前日まで、毎日のように私の部屋で寝起きしてたじゃん。 こっちは寝不足だよ。 有り余る体力。 若さなのか、何なのか分からないけど、ソユンはいつも元気だ。 「これからバーベキューでしょ?」 「うん」 「海鮮が美味しそうだったよ」 「知ってる」 「ソロソロ戻った方が良いと思うよ」 「いやだー」 「ソユンは誰と部屋が一緒になったの?」 「これから決める。撮影の前に顔やる事になったから」 「じゃ、早く戻らないと。ソユンが最後でしょ?」 「そうだけどー」 「撮影が長引くと大変じゃない?」 「……分かったよ。また後で来るからね!」 「はいはい。来れたらね?」 「もう!アンジュは夢を打ち砕くんだから!」 「ソユンの日本語、どーなってるの?」 「なにが?」 「ボキャブラリーが増えたけど、あんまり使わない日本語だから」 「ドラマ。トユンと見てる」 「なんのドラマ?」 「ちょっと前のやつ」 どうやら、少し古いドラマの影響らしい。 「とにかく後でね!」 「お仕事頑張ってねー」 「アンジュ。一緒に行く?」 「いかないよ」 「あー、行きたくないなー」 グチグチと文句を口に出しながら、ソユンは部屋を出ていった。
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