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アイドルがいる会社だもんね。 憧れとかあるだろうし、お近づきになりたい気持ちも分からなくはない。 まぁ、スタッフに狙われる立場のHeavenには同情しちゃうけど。 「推しは見るだけにしといた方が良い場合もあるのにね」 「サヨの発言は実体験?」 「黙秘します。それより、今日の予定は?」 「ないよ」 「マジで?」 「うん。Heavenは一日、コテージで撮影だし」 「私達もコテージで待機?」 「好きにして良いって。どっか観光しに行く?」 「うーん。今日はゆっくりしない?」 「いいよ」 「海入らない?」 「入らない」 「一応、水着買おうよ」 「入る気、満々じゃん」 「あの海みちゃうと、やっぱり入りたい!」 朝食を食べた私達は、管理棟の売店で水着を買った。 布面積少なめだけど、水着の上にラッシュガードを着るし、誰にみせる訳でもないしね。 なにより日焼けしたくないから、完全防備で海に挑む事になるだろうな。 私達のコテージからHeavenがいるコテージは目視出来るけど、顔の判別が出来る程、近くはない。 でも、騒げば声が聞こえてくる距離。 「あんずは入らないの?」 「今は満腹」 「昼間っからシャンパン片手に言うセリフじゃないよね」 「クォンさん様々だよ」 「あんず贔屓」 「有り難い事だわ」 コテージの冷蔵庫に、これでもかと言う程のシャンパンが詰め込まれていた。 送り主はクォンさん。 種類豊富で思わず頬が緩む。
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