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「しゃよヌナと二人で観光は禁止します」 「あのね。私達、そこそこ良い大人だよ」 「可愛い女の子だけで観光したら、ナンパされ放題だよ」 「いやいや、そんな事ないから」 「スタッフしかいないココでもナンパされたんだよ。セブ島の観光客の方がもっと破廉恥かもしれないでしょ」 破廉恥って。 ソユンの日本語が割と昭和でウケる。 「知らない人に着いて行かないから」 「それは当たり前。攫われるかもしれないじゃん」 「変なドラマの見過ぎだよ」 「ううん、有り得る!」 「無いから」 「アンジュは自分の可愛さを自覚してないんだ」 「何を急に」 「アンジュは可愛いよ」 「あのさ、ソユン」 「アンジュは無自覚だよ」 いやいやいや。 ソユン、それは違うよ。 もはやソユンは私の身内で、身内の欲目だよ。 そして、そんな事を大きな声で言わないでよ。めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。 ソユンの急な溺愛モードに、あたふたとしてしまった。 「ソユンヒョンは本当に残念だよね」 「トユン、また邪魔をする」 「マキヌナの顔見た?真っ赤だよ」 「アンジュの可愛い顔を見るなよ」 「なんで二人っきりの時にしないの?絶対今じゃないでしょ、その会話」 「二人っきりで会う時間なんかない。もうボク、仕事ボイコットしたい」 「ボイコットしたら、マキヌナにキレられるのに?」 「……トユンあっちいけ」 ソユンが白旗をあげた。
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