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確かに贅沢な悩みかもしれない。 でも、もやもやする。 だいたいソユンが悪いんだよ。 公私混同も甚だしい! やっぱり公私は分けたい。 「あんず、無駄だよ」 「え?」 「相手はソユンだよ。常識は通じない」 「ちょっと、サヨの言い方、ヒドイよね。それに気持ちを読まないでよ」 「声に出てたし。それに私は学んだよ。ソユンに常識を問うな。Heavenに普通を求めるな」 「達観した言い方してるけど、それは違うからね」 「まぁ、普通じゃダメなんだよ。普通じゃないから成功してるんだし」 「それも一理有り」 「だから諦めな」 「いや、諦めたらそこで」 「ストップ!その先は厨二になるよ?」 「やめとくわ」 「あんずが言ってた滝にも行くみたいだよ。明日は海に行くんだって。船借りるらしいよ」 「流石Heaven。大型クルーザーかな?」 「それは知らぬ。明後日はココで撮影して、その翌日は寺院とか市場とかに行くらしいよ」 「そっか、楽しみだね」 「あれ、吹っ切れた?」 「諦めた」 「どんまい」 足掻いても無駄なら、楽しんだもん勝ちだよね。 甘えたくはないけど、悩むのもバカバカしいし。 「明日の服、考えなきゃ」 「……そうだね、テヨンさんのチェックが入るよね?」 「うん。変なカッコしたらブチギレられる。サヨ気をつけて」 「戻ったら服、考える。一緒に考えようね」 「うん」 テヨンさんの鋭い眼差しを思い出し、ちょっと震えてしまった。
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