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『日本支社の暴走だから。とにかく、マキ達が気にする事ないよ。翻訳ありがとう』 『いえ。また何かあれば』 今回の撮影に同行している業務部のヨンさん。 スケジュール管理を主な仕事にしている方。 英語が堪能だから、今回同行しているらしい。 そして先ほどのメールは日本支社からのヤツで、文面を見る限り、仕事として決定している感じに見受けられた。 お伺いをしていると言うより、この仕事が決定しましたよ。みたいな感じ。 懲りないね、日本支社。 同じ日本人として、恥ずかしいし、悲しい。 相手の立場を考えられるのが、日本人の良い所なんじゃなかったっけ? 思い込みも、ここまでくると迷惑でしかないよね。 「日本支社?」 「マジでバカしかいないのかな?」 「あんずさん。荒ぶってます?」 「はぁー、マジで。どーしょーもない」 「だよねー。あんずに暴言吐かれたら最後だよ」 「ちょっと、どーゆー意味?」 「温厚を装うあんずが隠す事なくキレるならば、そいつは死亡って事」 「はぁ。もう、マジで寝る」 「うんうん。寝ちまいな」 アイマスクとイヤホンを着け、自分の世界へと浸る。 セイ様の声に癒やされながら、私は一時の夢へと落ちていった。
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