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◇◆◇◆◇
半年ぶりの伊織の手が俺の肌を暴く。
恥ずかしくて緊張する俺に、伊織は優しくキスをくれる。
「…自分でしてた?」
首を横に振る。
そんな気持ちになれなかった。
伊織に触れられる事を知った身体に自分で触れるなんて虚しくてできなかった。
身体中にキスが落ちてくる。
奥まった部分を丁寧にほぐされ、久しぶりの感覚に腰が震える。
カラダはしっかり、伊織を覚えていて、待ち望んでいた。
伊織の余裕のない熱い瞳も半年ぶり。
この視線に捕まるのって、こんなにぞくぞくしたっけ。
「んっ…あ、あ」
熱い昂りが奥へと進む。
これもカラダが懐かしがってる。
俺の身体はあの二週間でしっかり伊織に染まっていた事を今更実感する。
「ひぅ、あ…んっ! ああっ!!」
伊織の動きで限界に追い詰められて頭がぽーっとする。
繰り返し達してくたりと力の抜けた俺の身体を、伊織がうつ伏せにさせる。
背中から抱え込むようにまた伊織が挿入ってきて、快感にシーツを掴むと、その手に伊織の手が重なる。
「あ、あ…いおり…っ!」
奥を突かれてまたイく俺のうなじや肩に伊織が舌を這わせて甘噛みする。
「…千紘、もっと奥いけそうなんだけど」
「…?」
「もっと深いとこ、いっていい…?」
俺の返事を待たずに伊織の昂りが奥のその先を開く。
「ああっ! あ、あ…っ、や、いおり…、っ!!」
痺れるような快感に目の前がチカチカする。
すぐにイッた俺の耳に、伊織の熱い吐息が触れる。
「千紘の深いとこ、すごい吸い付いて気持ちいい…」
甘く低い声が鼓膜を震わせ、脳を蕩かせる。
「だめ、いおり…! おかしくな、っから…だめ、っ! あっ!」
「おかしくなれよ」
「っ!!」
シーツを掴んで達する俺を伊織はまた追い詰めていく。
ガクガク震える俺の身体を抱き締めて、伊織が奥を刺激し続ける。
こんなにされたら、もうほんとにだめになる。
「―――っ!!」
「っ…!」
伊織の昂りがナカでどくどくしてる。
意識が薄れていくのが嫌で、指を噛むとすぐにその指を口から外された。
「…千紘だって傷付いちゃいけない」
「あ…」
噛んだ跡を舐められ、そっとキスをされる。
身体を捩って体勢を変えて伊織と向き合う。
「伊織…キス、して」
俺がねだると、伊織が優しく目を細めて熱いキスをくれる。
唾液が交わり、舌が絡まる。
舌先をちゅっと吸われて脳が痺れる感覚。
「愛してる、千紘…」
愛の言葉が心にしみて魂を溶かした。
END
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