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起床。
気持ちがすっきりしない朝。
でも仕事は行かないと。
スーツに着替えて、簡単な朝食を食べながら日付が変わったくらいの事を思い出す。
気持ちいいキス。
異物感とゾクゾク。
腰が砕ける快感。
そしてまた気持ちいい、精のにおいのするキス。
「……」
尻になにかまだ入ってる感じがする。
俺は、天志のキスが気持ちよくてもっと欲しいと思った。
ナカを押された時のゾクゾクも気持ちよかった。
天志の口内も、熱くぬめっていて気持ちよかった。
つまり、全部気持ちよかった…。
「……」
俺だけイッて、天志はイかなかった。
俺が帰ったあと、自分で抜いたんだろうか。
視界の隅に入っていた天志のものは、しっかり勃ち上がっていた。
俺だけイッた事になんだか申し訳なくなる。
一方的にされてるだけじゃなくて、俺も天志になにかしたほうがよかっただろうか。
ていうか俺のほうが年上なのに完全にされるだけだった。
「……ん?」
俺も天志になにかしたいのか?
昨夜のは明らかに天志が強引に俺の身体を開いただけだろう。
それなのに申し訳なさを感じるのはおかしくないか?
…でも、結果気持ちよかった。
「…………」
こういう時はどうするべきだ。
こんな事、相談できる相手なんていない。
大学時代の仲の良かった友人なんてもうとっくに疎遠になっているから、いきなり連絡してこんな相談したって相手が困るだけだ。
そこにスマホの通知音が鳴る。
見ると天志から。
『ビール、冷やしてあるので今度ふたりで飲みましょう』
「……」
帰る時、俺がわざと置いて行った二本の缶ビール。
あの時、俺はもうすでに天志に触れられたかった。
「…わからん」
俺はどうしたんだ。
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