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金色に輝く髪、透き通るような碧い瞳、彫りの深い端正な顔立ち。人の手で作られたものだから美しいのは当たり前と思う人もいるだろう。
だが、それは違う。
そこに心が無かったらただの置物だ。
マネキンを見て美しいと感じる人がいるだろうか?
少なくともアリサはマネキンを美しいとは思わない。
ルークが美しいのは彼に心が有るからだ。そしてそのルークの心は外見よりも更に美しいことをアリサは知っている。
感情障害。人はそう言う。
でもそれは違う。
ルークが感情障害なのではない。
他のロボット達が感情欠落症なのだ。
アリサがルークを買ったのは2年ほど前である。
元々家事用のロボットが欲しかったのだが、値段が高くて迷っていた。
量産されるようになったとは言え、高性能AIを搭載した人型ロボットはまだまだ高価である。
結局、最新のR30型の発売日が決まって値段が下がったR28型を買った。
最初家に送られて来た日から一発でルークを気に入った。
ルークはどんなことでも嫌な顔1つせずにやってくれた。
また、単なる家事手伝いではなく、アリサの貴重な話し相手にもなってくれた。
仕事でミスをして落ち込んでいる時は優しく慰めてくれる。
会社で嫌な事があって機嫌が悪い時は、おどけた仕草で笑わせてくれる。
一方でルークのほうも、アリサが八つ当たりをすると悲しい顔をするようになり、また、逆にアリサが誉めると喜びを隠さないようになった。
購入後半年が過ぎる頃、一度アリサが40度の高熱を出して倒れた時、ルークは真っ青な顔で文字通り不眠不休で看病してくれた。
このままアリサが死んだら自分も死ぬとまでルークは言った。
いくら感情機能搭載型と言っても本当にこんなに人に近いと思わなかった。
人に近いと言うより人間そのものである。
それとなく同じR28型を持っている友人に聞いてみると、さすがにそこまで人間的ではないと言う。
ルークが感情障害であることに確信を持ったのはこの時である。
だがアリサはルークを返品しなかった。
R28ルークではなくルーク・ランドルフ・ジュダーと言う名前を付けて人間として扱うようになった。
ミドルネームのランドルフはアリサの好きな俳優の名前から付けた。
ファミリーネームは自分と同じにした。
それから1年半、今はもうルークの居ない生活は考えられない。
ルークが居てくれれば他に何も要らなかった。
自分の生活の全てがルークのためにあった。
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