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「花梨!待ってよ!
もう…突然走って行くから…ハァ…疲れた。
でも、追いついて良かったよ…。」
走って来たのはライト君だった。
息を切らして、僕の為に走って来てくれたライト君を見て、僕は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「ライト君…。さっきは逃げ出してごめん…。
でも…訳が分からなくなってしまって…。
だって…あの人…おかしくない?
初めて会った人に突然キスとかして…
一目惚れとか言ってさ…。
韓国人っておかしい人なの?」
「うーん…。それは違うと思うよ…。
確かに、初めて会って、いきなりキスするのはダメだと思うよ…。
でも…一目惚れはおかしい事じゃないと思うな。
だって…俺が実際そうだったからさ。
俺、好きな人居るって言ったでしょ?
実は、一目惚れして好きになったんだよね。
なんて言うか…ビビッと来ちゃったんだよね。
顔がもろタイプでさ…。
だから、シウ君もそうなんじゃないかな?
花梨を見た瞬間ビビッと来るものが
あったんじゃないかな?
それって、悪い事じゃないと思うよ。
シウ君、凄く反省してたよ。
花梨の事、怒らせちゃったって落ち込んでたし…。
シウ君がさ、花梨にちゃんと謝りたいって言ってたんだ。
だから…今夜またお店に連れて行ってもいいかな?」
ライト君の言ってる事は、少しだけだけど、理解できた。
でも、複雑な気持ちは凄く残っていた。
謝ってもらっても、あのキスは無かったことには出来ない。
どんな顔してあの人に会えばいいのだろうか。
お店に連れて来るということは…ママに
会うということだ。
僕は困っていた。
「店に来たら、まずいかも…。
ママが何するか分かんないから…。
あの人の事言ったらかなり怒ってたし…。
ママは僕の事になると、怖いよ…。」
「あー。そうか…。
それは…シウ君が危険だね…。
じゃあ…今度の日曜日俺の家に来ない?
鍋パでもしようよ。
親睦会的なやつ。
俺も花梨に、好きな人紹介したいしさ!
どうかな?」
僕は、ライト君の提案に乗ってしまった。
あくまで、ライト君の好きな人を見たいだけだと、自分に言い聞かせていた。
ライト君の恋を応援したいだけだと…。
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