第一話 真夜中の出会い

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僕達、親子はお店の二階に住んでいた。 ママのお店はゲイバーだった。 ゲイの為のお店。 僕も恋をするなら男がいい。 女の子は可愛いけど、恋をしたいとは思わない。 僕の見た目は女の子だ。 髪もロングだし、メイクもしている。 服も女の子の服を着ている。 男だった事は忘れた。 メイクのやり方や服装、髪型まで全部ママが教えてくれた。 ママが僕に言ってくれたんだ。 「あなたは自分の好きな事をしなさい。 自分を解放するの。 あなたは自由なのよ。 自分の思う通りに、好きな事をしていいの。 だって世界はどこまでも広がっていて、 無限の可能性があるんだから。」 その言葉で、僕は救われた。 今までは誰も僕を分かってくれる人がいなくて、孤独だった。 だけど、その言葉で僕は心に花が咲いたような気持ちになれた。 だから僕は、自分を偽る事は辞めた。 今は素の自分を出せている。 僕は最高に幸せだと思っていた。
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