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しばらく歩くと、ぎりぎりで波が届く湿った砂の上に綺麗な七色の巻貝が落ちていた。
満月の夜の虹の下でしか取れないはずの貝が、何故こんな所に落ちているのか?
きっと100ペソの呪文が効いたのだろう。
目に見えないくらい少しづつ、ゆっくりと、波が貝殻を海に引き込もうとしている。
私は流木に腰を下ろし、随分と長い間その光景を眺めていた。
海があの貝殻を欲しがっているのなら、私にはそれを止める手立てが無い。
だってそうだろ?
マリリンは拾って来て欲しいと言ったんだよ。
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