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アタシは女の直ぐ近くへ立ち、言い放つ。
「つーかマジでキモいんだけど、あんた!」
すると女は泣き出しそうな顔でアタシを見る。
そう、女の後ろにひっつく様に立っていた男の腕を捻り上げるアタシを。
「い、痛い痛いっ!!」
情けなく喚き散らす男に苛立ちが募って仕方がない! 絶対に放すもんか、手でも洗われたら証拠が流れてしまう!
「うっせー、痴漢野郎! こんくらいで痛がってんじゃねーぞ、言い逃れ出来ないようにちゃんと動画も撮ってんだかんな!」
スマホの画面を見せつけると、男は何やらぐちゃぐちゃと言い訳を並べているが聞く耳は持たない。
アタシはぐると周りを見回して叫ぶ。
「つーか、気がついてたのにシカトこいてたヤツがいただろ? ありえねーわ!」
するとポツリポツリと「僕、見てました……」「わたしも、」なんて言葉が上がり始める。やっぱり気がついてんじゃない!
舌打ちをして、最後に"あなた"そっくりの女を見て言う。
「大丈夫? 怖かったね。あなたは何も悪くないからね。悪いのはこの痴漢野郎。警察にも何でもアタシが証言してあげるから、アタシはあなたの味方だよ」
すると女はぽろぽろと泣いて何度も何度も頭を下げる。
「あ、りがとう、ありがとう、」
別にお礼なんて言わなくてもいいのに。
ねぇ、見た? アタシってこんなことが出来るようになったのよ? "あなた"とは大違いでしょう?
やっぱり"あなた"を消して大正解!
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