ひとつ上の幼馴染

7/7
前へ
/7ページ
次へ
◇◆◇ 「……ん…」 温もりに瞼を上げると、頬にキスをされた。 慎一の温もりとにおい。 「おはよう」 「ん…はよ」 「結局言ってくれなかったね」 「知らない」 もぞもぞと慎一に背を向けて顔を隠す。 顔が見えていると表情を読まれるから。 肌に残る赤い痕に頬が熱くなると、背中から包み込むように抱き締められた。 「俺、司が攫われたら絶対奪い返す」 「……俺が逃げたら?」 「捕まえる」 「じゃあ俺が…」 「なに?」 もう一度身体の向きを変えて慎一に向かい合う。 「俺が、慎一を好きって言ったら?」 きょとんとした顔。 それがどんどん緩んでいって。 「一生離さない」 ぎゅっと抱き締められて、唇が重なる。 甘いキスに酔いながら髪を撫でられて、心地好さに蕩けていく―――。 END
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

64人が本棚に入れています
本棚に追加