*俺のポケットに国を作るな*

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「お兄ちゃん、ちょっと見てほしい物があるんだけど」  会社から帰宅すると、妹に声をかけられた。  妹の部屋の壁に、可愛らしい制服がかかっている。うながされるままブレザーの右ポケットを覗き、俺は頭を抱えた。  小さな街並が、ポケットの裏地を覆い尽している。  その時、金ピカの粒がのんびりと飛び出してきて言った。 「朕は、偉大なるトッケポギミ一世の嫡男、トッケポギミ二世(にせい)である。この新天地を国土と定め、華々しく即位したのだ」
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