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「瑛士、大丈夫か」
「……へーき」
颯真に抱き締められて髪を撫でてもらったら幸せを感じた。俺も颯真に幸せを感じてもらいたくて、同じようにする。
「大阪って、なにで行くの」
「飛行機」
「休みには会いに来てくれる?」
「会いに来る」
じっと颯真を見ると、微笑んでくれる。腰を撫でられて身体が跳ねた。
「腰、痛いね」
「痛いか。加減できなくて悪かったな」
「ううん。幸せだからいい」
そういえば前のときはこんな腰の違和感とかなかった。ほんとに抱かれてなかったんだ…。
「颯真」
「ん?」
「意地悪」
「今更なに言ってんだ」
優しく微笑む颯真。ずっと見ていたい。どきどきしながら颯真を見つめる。
「すげー顔してんな」
「なにそれ」
「めちゃくちゃ可愛い顔してる」
「それは…」
颯真の頬に手を添えて、唇を重ねる。
「颯真に酔ってるからだよ」
颯真が頬を染めて、俺から視線を逸らす。
「ほんと、可愛い過ぎんだろ」
颯真の体温を覚えたくて抱きつく腕に力をこめると、気持ちが伝わったのか、颯真もきつく抱き締め返してくれた。
「……なんで返信くれなかったの?」
「瑛士に冷静になって欲しかったから」
「冷静だよ」
「そうだな。もっと早くこうしてればよかった」
「ほんとだよ、颯真の馬鹿」
すぐにこの温もりから離れなくちゃいけない。でも、ここは俺だけの場所。
「いつでも夢中でいてもらえるように努力するから、ずっと俺に酔ってろよ」
「どうかな」
「そういうとこ、可愛いな…ほんと」
優しく唇が重なった。
ほんと、趣味悪い男。
「俺だって颯真を酔わせるから」
「望むところだ」
するりと髪を指で梳くように撫でられる。
颯真に髪を撫でてもらうととほっとする。
俺からもキスをして、いつまでも抱き締め合った。
END
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