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服を乱され、脳が蕩けるようなキスに息が上がる。頬や耳、首のラインに唇が触れて、その度に頬も肌も熱くなっていく。肌の上を滑った手が胸の突起をとらえ、身体がびくんと震えてしまう。
「触っていい?」
「……っ」
答え方なんてわからないからただ頷くと、先輩が指の腹で突起に触れる。捏ねるようにいじられるうちに突起がつんと尖り、先輩は尖りを口に含んで舌で転がした。
「あっ……」
片方を舌でいじめられ、もう反対側は指できゅっとつままれれば、じんとした鈍い感覚が腰に響く。尖りを軽く吸われると腰が浮いた。
「森田……」
唇から解放され、濡れた尖りに空気が触れてすうすうする。それさえも腰をもぞもぞさせるのに充分な刺激だった。唇が重なり、くらくらするキスに頭がぼぅっとしてしまう。脚の間に先輩の膝が入り、既に存在を主張し始めているものを腿で擦られて大きく身体が跳ねた。
「せんぱ……っ」
「うん」
「……だめ、恥ずかしいです」
「やめる?」
昂ったものをもう一回腿で擦られる。そんなことをされたら力が抜けてしまう。熱い息を零すと、先輩が意地悪に微笑む。
「やめる?」
重ねて聞かれ、視線を逸らしながら首を横に振る。先輩は少し意地悪なところもあるんだ、とどきどきするけど新しい発見が嬉しい。残った服を脱がされ、先輩も身に着けているものを脱いで床に落とす。
「森田?」
思わず目元を腕で隠して先輩を見ないようにしてしまうと、その腕をそっと撫でられた。
「どうした? 顔見せて」
「っ……」
ゆっくり腕をどかして先輩をまっすぐ見ると、その色気にあてられる。目尻に唇が触れて、額にも触れる。
「恥ずかしい?」
「……」
こくりと素直に頷き、顔を背ける。男の人の裸でこんな色気を感じたことは一度もない。これは絶対、先輩だからだ。
「……触るよ」
「あっ」
透明の液を零す昂りに先輩が触れる。それはもうすぐにでも弾けそうなくらいに張り詰めていて、軽く扱かれたら腰が重たくなり呼吸が乱れる。枕に頬を擦りこすりつけるように身体を小さく捩ると、ふわりと先輩のにおいがして、それが更に身体を熱くさせた。先端の窪みを指で撫でられ、手に少し力を入れて扱かれて腰が震えた。
「あ、あ……待って、先輩、それ……っ、ああっ!」
限界があっという間にやってきて、先輩の手の中で果てる。くたり、と力の抜けた俺に先輩がキスをくれる。
「すみません……俺だけ……んっ」
濡れた音のするキスに聴覚から侵食される。力の抜けた俺の奥まったところに先輩の指が触れた。
「んあ……っ、ふっ、あ……」
先輩が俺をじっと見るので、小さく頷く。周りをなぞっていた指がゆっくり中へと入ってきた。違和感にぎゅっと目を瞑ると、瞼に柔らかいものが触れる。そっと目を開けて見ると、先輩の優しい笑顔と出会った。
「大丈夫か?」
「……はい」
「無理だったらすぐ言って」
ひとつ頷いて一度先輩から視線を逸らす。頬を軽く赤らめた先輩が、見ていられないほどの色気を放っていて思わず視線が逃げてしまった。
ほぐれた後孔に入る指が増えて、内襞を撫でるようにされて息が弾む。どきどきがすごい。
「あっ!」
「ここ?」
「っああ……っ、あ……あっ、あっ」
内襞を撫でていた指がある一点を掠めると、電流が走ったような感覚がつま先から脳まで駆け抜ける。そこを繰り返し撫でられ、軽くとんとんと指先で叩かれて目の前が明滅した。快感に喘ぐ俺に、先輩がキスをくれる。頬や鼻の先、額に耳……唇の感触さえ気持ちいい。
「待って、だめ……また、だめ……!」
「イッていいよ」
「や、やだ……」
先輩の肩に手を置いて力をこめると、先輩が「ん?」とまっすぐ俺を見る。俺が「やだ」と言ったからだろう、指の動きが止まった。
「……また俺だけイくの、いやです」
「!」
「先輩と一緒がいい……」
頬だけじゃなく、耳まで熱い。思わず腕で顔を隠すけれど、簡単にどかされてしまった。
「そうだな。俺も森田と一緒にイきたい」
「んっ……ふっ」
唇を熱い舌で舐められ、力の抜けるキスに溶けた俺を見た先輩は嬉しそうに微笑む。指が抜かれる感覚に小さく声を零してしまった。
「すごいとろんとした顔してるな」
「やだ……見ないでください」
「見せてよ。森田の全部を知りたい」
頬にキスをしてから先輩が俺の両膝の裏に手を滑らせ、脚を持ち上げる。昂ったものが窄まりにあてがわれた。
「森田、好きだよ」
「先輩……俺も」
「うん」
「好きです……」
熱が中へとゆっくり入ってくる。指よりずっと大きいものに息を詰まらせてしまう。
「無理だったらすぐ言って」
その言葉に首を横に振る。
「絶対言いません。先輩とひとつになりたいから……言いません」
先輩が一瞬目を瞠り、それからくしゃっと微笑む。中に進んできているものが大きくなったように感じた。本当に入るのかな、と少し心配になるけれど、だめだったら何回でもしてもらおうと先輩を見る。
「森田は真面目だな」
心がぽっと温かくなる懐かしい言葉。中学の頃、先輩に色々教えてもらっているときにもそう言われたことがあるけど、先輩は覚えているだろうか。奥に進む昂りにゆっくり拓かれていき、先輩がひとつ息を吐く。
「入ったよ」
ぎゅっと抱きしめられ、キスが降ってきて、俺も先輩の背中に腕を回す。先輩とひとつになれたんだ、と思ったら胸がいっぱいになった。
「辛くない?」
「大丈夫です……」
「可愛いな、森田」
額にキスを落としながら先輩が言い、その言葉がくすぐったくて頬が熱くなってしまう。唇に、ふに、とキスが落ちてきた。
「……先輩、動いてください」
「大丈夫か? もう少しなじませたほうが……」
「ううん……大丈夫だから、早く」
早く先輩を感じたくなってしまった。先輩がゆっくり動くと、声が押し出されて恥ずかしいけれど、先程指で撫でられたところを昂りで擦られたらそんなことは考えていられなくなった。大きく喘ぐ俺を、先輩が追い詰めていく。
「ああっ……、あ、だめ、そこ……ああ……っ!」
「森田……っ」
先輩の吐息が重たくて、気持ちよくなってくれているのがわかった。自分が気持ちいいのより、先輩が気持ちいいことが嬉しくて涙が溢れる。その涙を拭われながら揺さぶられ、奥に昂りの先端が当たると突き抜けるような快感に身体が震えて、自分のものとは思えないような嬌声が零れた。
「せんぱ……っ、だめ、もう……っ」
既に指で高められていた身体が限界を訴える。先輩が俺の胸元に顔を寄せ、肌を吸い上げた小さな痛みにさえ声を上げてしまう。胸に咲いた赤い跡は、先輩の痕跡。ぞくぞくっと湧き上がってきたものに身体が痙攣して白濁液を吐き出した。
「っ……」
先輩が顔を歪めて最奥を穿ち、中の昂りが膨らんだのを感じた。先輩が達したのがわかり、嬉しくてまた涙が溢れる。
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