南国あるあると雪の日の思い出

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 静かな朝だった……。  曇り空からシンシンと降ってくる雪。  辺りにも私と同じように歩いて 会社に向かう人たちがチラホラと 見受けられた。  空を見上げ、降ってくる雪に 感動していた私……。  気が緩んだのだろう……。  そうだろう……。  そうにちがいない……。  ツルっと滑り、雪の中で思いっきり 尻もちをついた私……。  天をあおいだ私は、見事に 新雪の上に大の字になった。  幸い、近くには人がいない…… と思った私だったが~、  遠くからこちらに歩いて来る人影が……。  きっと、あの人は私が派手に尻もちをついたのを 見ていたはず……。  私は慌てて立ち上がると、自分の目を疑った。  そこには、新雪に型取られた、  大きな、大きなお尻の形をした、窪み……。  ガーン……。  私のお尻って、こんな形をして、 こんなに大きかったなんて……。  年末年始のドカ食いがたたったのだろうか?  運動不足がたたったのだろうか?  そんなことを考えてるうちに、後方から 歩み寄る人影……。  ハッとした私は、その場にしゃがみ込むと、 新雪に型どられた私の大きな窪みの 端っこに、パラり、パラりと雪を振りかけた。  すると、どうでしょう……。  大きな窪みは、あら不思議!  綺麗な小ぶりの形のいいお尻の形に大変身……。  うん、これなら、大丈夫……。  とっさに生まれたこの力作に満足した私は、  カシャリと写メに記録すると、  滑らないように細心の注意を図りながら  その場を立ち去った。  雪が降ると思い出す……。    私の雪にまつわる素敵な思い出を……。
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