ドーナツ

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ドーナツ

 バイト先の先輩は綺麗な髪をかきあげ、差し入れで貰ったドーナツの箱を前に仁王立ちしていた。手を伸ばしたかと思えば引っ込め、また物凄い形相でドーナツを眺め始めた。私は笑いを堪えながらその様子を一部始終見ていた。やっと決めた砂糖いっぱいのドーナツを頬張り 「なんだろこれ、全部一緒に見えるね」 と私に無邪気な笑顔を振りまいた。
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