第二章 第五話

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   アルフの言葉に、野菜の入ったスープを口に運んでいたレイナが苦笑しつつも「私もです」と呟く。  ヴィクターはその逞しい体を前方へと僅かに傾けて、手にしたジョッキをアルフの方へと向けながら問い掛けた。 「これから王都に戻るんだよな?」 「ええ、明日の朝には発とうと考えています」  言いながら、アルフはレイナの方へ視線を遣る。それに気付いた少女は、屈託のない笑顔を返した。 「大丈夫なのか? 例の、石を狙ってる連中ってのと出会すかも知れないぜ」 「危険は重々、承知しておりますよ。ですが、だからといって立ち止まっているわけにはいかないのです。一刻も早く王都へ戻り、石を完全に封印しなければ……」  真剣な顔で、アルフが告げる。ふぅ、と小さく息を吐き出して、ヴィクターは再びジョッキを傾けた。  
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