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ジョンソン・プランクの政権争い
今から約半世紀少し前。ビッグアイ連邦は世界情勢に影響されつつも豊かな生活を送っていた。
そのうちの一つであるイニミニマニモ州は長らくプランク一族が代々治めていた。最大かつ唯一の大都市タウンズビルの市長も一族から輩出されていた。
基本的にどの州も二大政党があり、民はどちらかを選ぶ方式となっているが、イニミニマニモ州には政治に明るい人間がプランク一族しかおらず、対立候補にまともな者が現れなかったのだ。選挙をする側も政策などについて言われても何もわからないことや同調圧力があったことから、民はほぼ何も考えずにプランク一族に投票していた。
ではプランク一族の手腕は良かったのか。残念ながら良いとは言えなかった。彼らは民が無知蒙昧なのを良いことに、重税を取っては税金で贅沢な毎日を送っていた。酷い時は市長が常に不在で南部のリゾートでバカンスを送りながら政治をしていたこともあった。
民の経済状況は悪く、治安も悪化していった。世界的な大戦に勝利したとはいえ、その後はまた新たな敵と戦っていた。大量兵器をちらつかせ合う戦争は人々を不安に陥れていたのに、明日のパンの金すら奪われる状況で、人々の心はただなぜかもわからないまま荒んでいった。一時期は犯罪発生率が全州トップであり、「住みたくない州ナンバーワン」に選ばれたこともあった。
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