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老ギツネのイプがまだ若かった頃、
雪が降りしきる雪原を、独り延々と歩き続けていた。
びゅううううう〜〜〜〜〜〜〜!!!!
ごおおおおおお〜〜〜〜〜〜〜!!!!
「これが、父ギツネが教えてくれた『ホワイトアウト』というものかな?
本当に吹雪で前が見えない・・・!!
俺は、今どっちに向かってるんだぁーーーーーー?!」
雄ギツネのイプの行く手を襲う、激しい向かい風の吹雪の『ホワイトアウト』の真っ白な世界を脚を雪で囚われながらも、トボトボと歩き続けた。
びゅううううう〜〜〜〜〜〜〜!!!!
ごおおおおおお〜〜〜〜〜〜〜!!!!
「白い、何処までも白い!!
しかもこの白い中俺ひとり。
俺はこの白い世界のど真ん中で、ひとり寂しく凍え死ぬのかなあ・・・?!」
雄ギツネのイプは、尚も歩きつづけた。
本能がそうさせるように、この『ホワイトアウト』の世界の向こうに行かせるように。
びゅううううう〜〜〜〜〜〜〜!!!!
ごおおおおおお〜〜〜〜〜〜〜!!!!
「ん!?」
雄ギツネのイプは、目の前に大きな岩らしきものがこの白い世界の中にぼんやりと現れてきた。
「やっと、白い世界に何かが現れた。
この大きな岩で、暫くこの吹雪をやり過ごそう。」
雄ギツネは、この大きな岩に寄り添うように座り込もうとした。
「ん?何だこりゃ?この岩、ムニュムニュ柔らかい?」
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