セフレの先っぽ

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この煙草も……、颯をマネて吸い始めたんだよね。ミリ違いの同じ銘柄にしてさ。 煙草なんて吸ったこともないのに、まだ話したこともない颯への憧れみたいな感じで吸い始めて⋯⋯。 初めは入学式の日に颯に一目ぼれして、いつか話せたらいいなって位に思ってたのになぁ⋯⋯ それなのに彼女になりたいだなんて⋯⋯人って欲深いよね。1つ叶ったら次ってさ。 初めて話しかけられた時、可愛い、なんて言われて舞い上がったっけな⋯⋯。常套文句(じょうとうもんく)に決まってるのに。 それから2人でデートっぽい事したり、ナンパから助けてくれたこともあったっけ⋯⋯。 上手く友達してたのにな。 あの日、酔ってたからって颯の家に行くべきじゃなかった。 あの日、あの家に行かなかったら⋯⋯ずっと友達で居れたのかな? でも、止められないほど好きだったの…… 本当に………… ずっと⋯⋯ 「……穂乃花?」 聞き覚えのあるその声に、数秒経ってから振り返る。
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