セフレの先っぽ

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「……あ……」 (そう)……。 「本当に髪切ったんだね。山本から聞いてビックリしたよ」 そう言われて慌てて髪先を掴んで隠そうとしてしまう。 もう、どう思われたって関係ないのに。 「可愛いじゃん」 驚くことに、ロングヘア好きの颯が、私のこの髪型を褒めてきた。 「それも就活の為?」 「う⋯⋯うん」 颯から吹っ切れるため、なんて口が裂けても言えない。 「煙草、復活したんだ」 携帯灰皿を見て少し残念そうな顔をする颯に、痛む必要なんて無いのに、苦しいくらいに胸が痛んだ。 「⋯⋯穂乃果(ほのか)⋯⋯」 「何?」 近付いてくる颯から、思わず後ずさった私。 そんな私の足元を見た(そう)は、分かりやすいくらいに眉を下げた。 「俺の事、嫌になった?」 予想外の質問に、暫く固まってしまう。 「⋯⋯えっ、そういうのんじゃないん、だけど⋯⋯」 「そっか。良かった」 と言う颯は、少しだけホッとした顔をした。 「俺さ、昨日、穂乃果にもう来ないって言われて、ずっと考えてたんだけど⋯⋯」
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