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「あれ?髪切ったのー!?ボブいいじゃん」
「お、バッサリ行ったね。しかもなんか懐いし。1回生の時そんなんだったよね」
予想以上に大学の友達に褒められ、頬をポリっと搔く。
「そうなの、久しぶりに切りたくなっちゃって」
大丈夫。
まだ半年。傷は浅いはず⋯⋯だよね?
「あっ、颯だ」
颯、という単語に心臓だけじゃなく体まで跳ねる。
見たくもないのに、友達が指さした先を見てしまった自分の瞳に、美人を周りに侍らかせている颯が映った。
それは、とても見慣れた光景。
でも、今日ばかりは見たくなかった。
「えっ何!?何してんの!?」
すかさず友達の影に隠れる私に、驚いた声を出される。
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