45人が本棚に入れています
本棚に追加
他国の魔物の森事情 side ソイルディオ
「ヴェルク大公、エルフォード王国が魔物の森に出現した古龍を洗脳し、ヒースラン王国を攻めようと企んでいる。元聖女シルティア、ヴェイリー大神官が結界を張り古龍を封じ込んだと諜報員から報告を受けたが信じられない」
18年前の大魔王討伐後、元勇者のジオルド・アシュメイル辺境伯は、第1王女を正妻に迎え、ヒースラン王国の宰相の地位についている。
ヒースラン王国の4大公爵ヴェルク家の爵位を継ぎ、軍務大臣を任されいる俺はアシュメイル辺境伯がアルテマ神が選んだ勇者には思えなかった。
「エルフォード王国へ赴き、エルフィンとカタリスタの森の結界を壊し古龍を放ち、王国を壊滅させろ!!」
宰相は国王からの命じられた依頼になるため、断る事はできない。
「ひとまず、私が偵察にエルフィンの森へ向かいます。隊を引き連れ向かうにしても、状況把握をしたいと思います」
エルフィンの森はヒースラン王国の南の近境にある。
ウィスタンの街に近いため、ヴェイリー大神官が出向き結界を張るのはおかしくない。
何か理由をつけて、エルフォード王国を侵略しようとアシュメイル辺境伯が目論んでいるのだろう。
アシュメイル辺境伯との対談後、転移魔法でウィスタンの街へ飛び、情報収集をする事にした。
「エルフィンの森の結界、安定したらしいな。さすがヴェイリー大神官。鉄壁の結界を張るなんて、やっぱあの方は聖女様だ!!」
ウィスタリアの街の酒屋に入り、黒ビールを飲みながら客の話に耳を傾ける。
最初のコメントを投稿しよう!