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魔族復活と騎士様 side クリスティア
世界各地にある魔物の森の魔素の泉から魔族が次々と出現していく予知夢を見た。
人の姿に近いゴブリン、オーク、リザードマンは昔からいるが、人の姿そのものの魔人を初めて見た。
闇の魔素から生まれた魔族は邪悪な心を持ち、この世界を破滅させようとする。
「……お母様に伝えなくちゃ!!」
あまりの恐怖でうなされ、寝汗が酷い。
ベッドから飛び起き、急いで身支度を整え、母のヴェイリー大神官がいる神殿に転移魔法で向かった。
ヴェイリー大神官の執務室前に転移し、中に人がいない事を確認して中に入る。
「お母様、24ヶ所の魔物の森の魔素の泉から魔族が出現しました。……かなりの数です」
18年前に凶悪な大魔王を討伐した冒険者パーティーに所属していた母。
大魔王について誰よりも知っている。
闇の魔素から生まれた大魔王はランク的には S級以下だったが知能が高く、人間のふりをして惑わせたり、団結して騙し討ちをしてきたり、古龍などのSSS級のモンスターを大量発生させ王都を襲ったりした。
「……クリスティア、大丈夫です。出現しただけならC〜E級で全く問題無いです。大魔王になりうる魔族がいたら早期に討伐すればいいのです。貴女はアルテマ神の使徒、御告げがあります」
そうは言われても、母から繰り返し御伽話のように討伐の話を聞いて育ったから、怖くて堪らない。
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