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偽りの勇者 side ソイルディオ
「……甲殻種、牙獣種だけでなく、飛竜種、……古龍種まで発生しているとは」
王都に程近いセントリアの森に上級モンスターCランク以上が大量発生していると冒険者から連絡を受け、王国騎士団と国家魔術師団の勇志から討伐隊を結成し、152名を引き連れ駆けつけた。
「全員退避!!直ちに後退しろ」
モンスターの全種族の頂点に立つSランクモンスター古龍種に出くわしてしまった。
「団長を独り置いて行けません!!」
「命令だ!!」
太古より悠久の時を生き続けあらゆる生態系から逸脱した存在に対し、S級ランク保有者でこの世で1番の優れた武力を持つ男と崇められている俺、ソイルディスク・ヴェルクの剣は全く刃が立たなかった。
古龍討伐は不可能だ。
このまま戦闘を続けると無駄に命を失わせる事になる。
隊員全員を撤収させるため、襲いかかってくる火属性の古龍に独り立ち向かう。
「……ここまでか」
古龍に炎を噴かれ、魔法剣で水属性のバリアを張り踏ん張るも、魔力切れでこれ以上は防御できない。
古龍との2日にあたる戦闘に、体力的に限界もきていて死を覚悟する。
「古龍発見、仕留めたり!!」
バリアが解ける寸前、茶色いフード付きマントを頭から纏った少年が現れ、氷の魔法剣で古龍の首を切り落とし、間一髪命拾いをし、俺は意識を飛ばした。
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