47人が本棚に入れています
本棚に追加
かくれんぼをしていた
同じような年頃の、男の子と女の子と
今となっては顔も思い出せない
雑木林のなかから、赤ん坊が泣いてるような声が聴こえてくる
───赤ん坊?
それとも、猫……?
腰をかがめて、林の奥を覗き込む
小さな、今にも消えそうな小さくて淡い金色の光が、葉の間にふたつ、みっつと次第に増えていく
あれは何?
なんの光?
不意に、がさりという音とともに、大きな、しっぽのようなものが、光の奥で揺れた
最初のコメントを投稿しよう!