月夜の巫女と蒼き龍

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 かくれんぼをしていた  同じような年頃の、男の子と女の子と  今となっては顔も思い出せない  雑木林のなかから、赤ん坊が泣いてるような声が聴こえてくる          ───赤ん坊?   それとも、猫……?  腰をかがめて、林の奥を覗き込む  小さな、今にも消えそうな小さくて淡い金色の光が、葉の間にふたつ、みっつと次第に増えていく  あれは何?  なんの光?  不意に、がさりという音とともに、大きな、しっぽのようなものが、光の奥で揺れた
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