ヘンテコチルドレン

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ポン子とプラ子が話している間、水加瀬はしゃべりませんでした。もちろんもともとあまり話が得意というわけではないので端から黙っている予定でした。(黙秘権、執行!!!)  何を話していたのか詳しくは覚えていませんが、とりあえず、最悪なことにポン子と一緒に荷物を運ぶ羽目になりました。もう最悪です。野外活動の炊事なんてもう二度とやらねぇ!って心に決めました。  不本意ながらポン子と一緒に荷物を運び終わって、いざ、本格的に炊飯作業が始まりました。荷物運びしか役目がなかったので当然暇を持て余していた矢先にポン子が僕を呼び止めました。 「水加瀬くんあたし、玉ねぎ切るの苦手だから変わってよ。どうせ暇でしょ?私のためにやりなさいよ」 「はぁ…」  このようなお嬢様キャラだったんですよ、ほんとに。ポン子の隣りにいたモアイ像みたいな顔をした従者は何もしてなかったです。うん、そいつに頼めば?!って思いましたよね?ね?  そう、僕も思いました。しかし、言いなりになるのも癪に障るので、僕は玉ねぎをみじんぎりにしてポン子に渡しました。小5ながらに天才的なみじんぎりだったと思う。  調理に僕は余り関わりたくなかったので、静かに洗い物をしていました。まぁ、いかんせん運び係と洗い物を兼用していたので食べ終わってからじゃ終わらないんです。なのでもう片しておこう、と先に行動してました。考察するに、この時のポン子はまだ思考が幼かったので僕の行動の意味がわからずに癇癪を起こしていたように思われます。 いざ、実食。  味は普通のカレー。辛くもなく、甘くもなく、至って普通の味。強いていえば肉が僕にだけ入っていなかったのが心残りです。他のメンバーは「うんめぇ!」と騒いでいましたが、僕は関与したくなかったので早く食べて口をゆすぎに行きました。  濯いだあとに2つとなりの組の先生がいたので話しかけてみました。この先生はプラ子と違って神みたいな先生でした。生徒の可能性を信じ、間違ったことをすれば叱る。叱ると怒るの区別がしっかりついてる先生でした。  
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