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その先生は僕の四年生の時の先生で、当時から仲良くしてもらっていたので信頼がありました。
「水加瀬、楽しんでるか?」
「まぁ、それなりに…でも、ポン子がちょっと当たりが強いですかね」
「まぁ、そういう性格だしな。ほら、先生とじゃなくて他の子たちとも話してきな?」
水加瀬くんもうこの先生にぞっこんでしたね。今も尊敬するぐらいいい先生なんですが、近年あまり噂を聞かなくなりました…。ちょっと悲しいです。
先生と話し終わって数十分。片付けの時間がやってきました。
とりあえず、自分の持ち場へと戻ると、一旦洗って干していた食器を何故かポン子がもう一度水につけているではありませんか。非常に驚きました。
「あの、ポン子さん(敬称つけてたよ)それもう洗った…」
「気に入らないからもう一回洗う」
「でも汚れてないし、早く片付けようよ…」
「じゃあ水加瀬くんがやればいいじゃん」
え?
フリーズしましたよ、そりゃ。
だって一回洗ったピカピカの皿をもう一回洗わないといけなくなったんですから。もうねぇ?なんか怒りと呆れと喪失感で心の中がジュラシック・パーク。呆然としているとそこにたまたまプラ子が来て「水加瀬くんも手伝いなさい」と一喝。もうどうしたらいいかわかりません。
でもここで屈するほど水加瀬はいいのではありません。少し前に洗っていたのはまな板や包丁とかの細々としたものだったのでまだ鍋などの大掛かりな物は何一つ手を付けず、汚れたまま洗い場に鎮座していました。
「その鍋、水加瀬くんが洗ってよね」
ポン子が僕に言いました。水加瀬くんは実は上から目線がほんとうに綺麗でした。
「あ、ごめん。手が滑った」
水加瀬、反撃開始。
見るからにわざとだろ、ってぐらい思い切りポン子に鍋をこすりつけました。うん、よくやった。えらいぞ水加瀬。今までの屈辱を返上する日が来ましたね。今までありがとうポン子。これでさよならだ!!!って言わんばかりにね、つけたよ。煤を。
まぁ、ポン子のことだから当然先生を味方につけてギャーギャー騒いでましたが、僕は何一つ話を聞いていませんでした。だって目には目をハンムラビ法典!!の精神で生きてるのです。報いを受けるのは当然だってね。思ってたんで。
これに関しては今も全く反省しておりません。
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