9人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
短歌をもっと知りたいと思うようになったのは、それがきっかけだった。三十一音の短い歌。僕にも歌えるようになるのだろうか。
学ぶなら、何事もまずは教科書から。詩と短歌のページが確かあったはず。
あった。正岡子規の肖像。……に、巨大アフロの落書き。
全く、がっかりさせるぜ、過去の自分。どんだけヒマだったんだこの時。
失望を勇気に変えて、ページをめくる。
ストライプ模様のように並べられた短歌を、五、七、五、七、七……と数えながら読んでみる。すると、リズムが生まれる。リズムが生まれると、音が歌になる。
そっか、これは歌だ。短い歌だから、短歌と呼ぶんだ。なんて、当たり前のことに気がつく。
好きな歌を見つけた。五、七、五、七、七。たかたかたん。たんたかたかた、たかたかたん。
リズムに慣れると、また世界が違って見えてくる。不思議だ。全部七五調で言える気がしてくるのだ。
まじやばい電車一本乗り遅れ
そう言えばあの俳優さん推せたかも
誰にも言わないけど推せたかも
最初のコメントを投稿しよう!