(二)

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「椎田! 大丈夫か」  倒れた中年の姿を見たもう一人の中年の北俣が、「てめえ!」と若くない叫び声を上げながら、芙美恵に向かっていこうとした。しかし、その試みは芙美恵の前に躍り出ようとする直前に、脇腹へ打ち込まれた悦子の拳によって阻まれた。 「てめえ!」  北俣のその声を聞いて騒動を警戒していた民間警備会社の警備員が、改正銃刀法で法人のみに所持を許可された国産の自動小銃を手にして集まってきた。 「これはどういうことだ!」 (続く)
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