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男はそう言いながら、ベッドのヘッドボードに置いた黒い腕時計を手に取り、時間を確認した。高級そうでしかも頑丈そうな立派な時計だな、と悦子は思った。
「まあね……。時間、気になるの?」
「ああ、まだ大丈夫。ところで、本当に今日は大丈夫だったのかい?」
「私のはもう取られちまったからね。いくらヤっても心配はないよ」
「原因は、あの現場?」
悦子は「違う!」と大声を上げて飛び起きた。
「爆発させたのは私じゃない。あいつらだ。民警のやつらだ!」
「落ち着けって。あれは君が悪いんじゃない。わかっているさ」
(続く)
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