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「ああ、さっきまで男と会ってきたからな」
「不潔です。……で、私に何か用ですか」
「また作ってくれないか」
テーブルを挟んで三木里々の正面に立ち、悦子は言った。
「ダメです。千代さんから、あんたには渡しちゃダメって、言われてますんで」
三木里々は目の前で作っている物から目を離さずに返した。「なんだよ、いいじゃねえか、二、三個くらい」
「ダメです」
「ほら、あんじゃん」
里々は悦子の方を振り向くと「あ、それはダメですよ。美佳子さんたちが使うんですから」と慌てて立ち上がった。
(続く)
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