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悦子が周囲を見回す。壁際の作業台の上には、何かの装置があった。悦子は作業台へ近づいてそれを手に取る。
「この前のと同じ作りじゃ足が付くぜ。だったら、俺が使った方がいいだろ」
そういって、悦子は装置を持ち上げた。
「ダメですってば!」
懸命な里々の抗議に「わかったよ」と答え、悦子は装置をデスクに置いた。
「とにかく、近いうちにまた行くから。今日中に作っておいてくれよ」
そう言うと悦子は地下室を出て階段を上って行った。背後から「無茶言わないで下さい」と声が聞こえた。
(続く)
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