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 赤い髪をかきむしるようにしてミゲルが大声で謝った。 「ミゲルのせいじゃないよ、僕が悪いんだ」  フウルは慌ててそう言った。  フウルとミゲルは寝室にいた。暖炉の前に座っている。雨に濡れた体を温めているのだ。 「いいえ、僕のせいです!」  ミゲルは、フウルが「処刑はいつ?」と聞いた時に曖昧に答えてしまったことを後悔しているらしい。そのせいでフウルが「自分は処刑される」と思い込んでしまったからだ。  ミゲルの子鹿のような可愛い丸い目に涙が浮かび、そばかすが浮かんだ頬を涙が濡らしていく。 「泣かないで、ミゲル」 「許していただけますか?」 「最初から怒っていないよ。僕が、『偽者だ』と告白したから驚いただろう?」 「はい。大広間で王子さまがそうおっしゃったときは、ひっくり返るほど驚きました。だけどそのあとで陛下が僕たちに、『王子は旅の疲れで心が乱れておいでだから、なにを言われても受け流して、お疲れが取れるように大事にして差し上げろ』と命じられたのです。だから僕、王子さまに『処刑はいつだ?』と聞かれたとき、どう答えていいかわからなくて⋯⋯」
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