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生命戦
大人になることは、感受性が鈍くなることだ。
立体芸術家のボクはいつ自分が使いモノにならなくなるんじゃないかとヒヤヒヤしている。
「生き残るために震えるような体験がしたいんだ」
親友のアイツはボクのそんな不安に深く理解を示してくれたらしい。ゆっくりと頷き、絶対に叶えてみせるからと一枚の仮面を発注してくれた。
*
後日、ボクのところに届いたのは宛先も差出人もない一通の招待状。アイツからの招待に違いないとボクは指定された場所に縋るように向かった。
*
ボクは確かに震えていた。特製の仮面を付けたアイツも満足げな口元で会を進行している。
(違う違うそうじゃない)
誰がデスゲームで震えたいと言ったんだ!
おわり
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