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「ああ……土屋さん……」
土屋さんとの一夜から数日。
普段の日常に戻ってからも、彼のことが頭から離れない。
憧れだったあの美しい歯を間近で凝視し、更に触れることまで。
それに、魅力的だったのは口内だけじゃない。
土屋さんは、酔った私を優しく介抱してくれたし、無理矢理襲うなんてことはなかった。
終始紳士的で、大人の包容力に溢れていて。
それでいてハッとするような色気も醸し出しているような、素敵な男性。
……益々、彼のことを好きになってしまった。
『次はいつお休みですか?』
連絡先を交換して、直後に届いたメッセージを読み返す。
土屋さんからアクションを起こしてくれたのが嬉しくて、すぐに返事を送ったやりとり。
『毎週、水曜がお休みです』
平日の中日なんて、仕事で疲れているだろうし難しいかな。
そう後悔したのに、彼からの返答は予想外のもので。
『じゃあ来週の水曜日に食事でもどうですか?』
『是非お願いします』
すぐに会おうとしてくれるなんて嬉しかった。
私のことに少しは興味を持ってくれたって、自惚れてもいいのかなって。
それとも、この間の続きをしたいだけ?
一喜一憂を繰り返し、暇さえあれば土屋さんのメッセージを眺める。
次に会えるのを指折り数えて、会えない日々も仕事に集中した。
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