バイブレーションが止まらない

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 ファスナーを下ろす音が響いた。  女は酔っていた。ワンピースを脱ぎ捨て、俺に向かって放り投げる。キャミソールの紐が桜色に染まった肩に引っ掛かる。それさえも邪魔だと言わんばかりに、女は紐を外した。薄衣は肌を滑り、床に落ちて小さな山を作る。  恥じらう様子もなく、女はさらに脱ぎ続けた。一糸まとわぬ裸身を俺の脳裏に焼き付け、バスルームへと消える。服に残された女の香りを嗅ぎながら、俺は自分の中に潮が満ちるのを感じていた。  シャワーを浴びた女は、今さらのようにバスタオルを巻いていた。俺の上に屈み込んだ胸元を、滴が一筋流れ落ちていく。赤く塗られた爪が俺のボタンに掛かる。瞬間、電流が体を突き抜けた。  沸き上がる衝動に身を任せ、俺はゆっくりと動き始めた。既に液体は満々と湛えられている。うねりはどんどんと大きくなり、体の中から俺を責め立てる。  やがて俺は放出した。  しかし俺は動くことをやめなかった。先程までのうねりとは違う、新たなバイブレーションが俺を捕らえる。最後の一滴までも絞り尽くすのだ。誰もこの俺を止めることは出来ない。 「いやっ……」  激しく震える俺に圧倒され、女が身を引いた。バスタオルを巻き付けたまま、脱衣所を飛び出していく。 「ちょっとお母さん! この洗濯機、壊れてるわよ!」  そして俺はゴミ捨て場で、リサイクルを待っている。
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