何者かになりたい

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
ずっと何者かになりたいと思っている。 ここにいるだけで、この世に存在しているだけでもみんな何者かにはなっているはずなのに、自分はまだ何者にもなっていないように感じる。その何者かの正体は定かではない。名のある立ち位置なのか、空気のような正体なのか。 イチゴのアルバイトをまだ2日間だけどやって、誰かに必要とされる喜びを久しぶりに味わっている。自分が勝手に必要とされていると思っているだけかもしれないけど。 祖母は孫の中で自分が1番可愛いみたいで、元気で、笑っていてくれるだけで、嬉しく幸せらしい。それを強く感じたのは約3年前、今の障がいが診断される前、数ヶ月間ずっとベッドから起き上がれずにいた時に祖母が枕元に来て涙を流していた。その時はそっとしておいてと強く思った記憶があるけど、涙を流す程に心配をしてくれる人が近くにいるのはありがたく、幸せなのだと今は思っている。 障がい者になるまで、家族に心の奥の気持ちを言えなかった。そうなったのは、自分を否定されるのが怖かったからなのかもしれない。でも、自分でも抑えられないほど、爆発してしまうほどの心の状態になり障がい者となってから、家族に苦しさや欲求を言えるようになった。自分でも不思議なことで、これだけでも生きづらさが半分になった。 レッドペッパーソースは確かに辛い。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!