サロンで楽しくお喋りするはずが…

1/5
前へ
/281ページ
次へ

サロンで楽しくお喋りするはずが…

 王族への挨拶が終わり、音楽が鳴り始めたのでダンスタイムが始まった。  テオ様は私をファーストダンスに誘ってくれて、私は右手を差し出した。私の左の背中辺りにテオ様の右手が添えられ、私は左手をテオ様の肩に乗せる……身長差があるので、乗せるのが大変だったけど、私もベルンシュタットに来て5cmほど伸びていたので何とか乗せる事ができた。  あとは先生とのレッスンを思い出して二人で踊り始める――――  上手く踊れているかは分からないけど、何となく形になっているような気はした。先生とのレッスンのおかげね!  「テオ様はとてもお上手ですね……」  「そうか?ロザリアだって練習の成果が出ているじゃないか」  「もう……テオ様が紹介してくださった先生の教えが、とても良かったおかげですわ」  「ダンスなんて気にしなくて良かったのに……でも頑張る君も可愛らしくて、たまに覗いていたよ」  「え?!」
/281ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1494人が本棚に入れています
本棚に追加