サロンで楽しくお喋りするはずが…

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 それは初耳だわ…………まさか見られていたなんてっ…………その話が出た瞬間にターンをしたので、それについて話す事が出来なくなってしまった――テオ様は笑って誤魔化してしまうし、それ以上追及出来ないわ……  最初の2曲を一緒に踊って、私の体力が限界にきたので少し小休止する事にした。    私が息を切らしていたので「何か飲むものを取ってくるよ」と言ってテオ様は私が飲めそうな物を取りに行ってくれた。少し壁の花になっていたところにステファニー様が踊り終えて話に来てくださった。  「テオドールは飲み物を取りに行ったの?」  「はい、私が体力がなくて……喉が渇いてしまったので」  「ダンスは大変だから疲れても仕方ないわ。私も3曲で休憩させてもらったもの。ヒルドはお付き合いのある方たちのところで話しているみたいだけど、やっぱり殿方は体力あるのね……」  ステファニー様が呆れたように言ってらっしゃるけど、ヒルド様を見る目は優しさに溢れている。  「ステファニー様、ヒルド様との事……本当に良かったですね」
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