友達を守りたい ~ステファニーSide~

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友達を守りたい ~ステファニーSide~

 私には、私が生まれたばかりの頃に親同士が勝手に決めた婚約者がいた。名前はテオドール・ベルンシュタット、ベルンシュタット辺境伯の令息で、私より6歳年上の少しお兄さんだった。  私が5歳の時、すでに彼は11歳……まるで住む世界が違う人に思えたけど、幼い私の話に合わせてくれたり無口なのに結構優しいところもあるな、という印象だった。  テオドールといつも一緒にいる公爵家の令息はブルンヒルド・ベルジテックといって、物腰も柔らかく、出会った時から私の王子様だと思っていた。  すぐにヒルドとも打ち解けて……呼び方もヒルドって呼ぶようになり、彼は私をお姫様のように扱うから私も勘違いしてしまって、男友達のようなテオドールではなく、ヒルドと結婚したいと思うようになっていった。  その話をテオドールにしたら、婚約解消をあっさり承諾してくれる――  彼は母親を早くに亡くしていたし、父親の辺境伯は厳しい方だったから愛が何かが分からなくなっているような感じだった。  テオドールの事は心配だったけど、だからって同情で婚約しているのはお互いの為に良くないと思った。
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