友達を守りたい ~ステファニーSide~

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 テオドールにもヒルドにも正直な自分でありたい…………私はそんな気持ちもあって、テオドールが辺境伯を14歳で継いだ二年後に婚約を解消する。  その時の事を後悔した事は一度もない。  後にテオドールがリンデンバーグに攻め入った時に運命の出会いをするのだけど、その話を聞いて、解消しておいて本当に良かったと胸をなでおろした。  私は晴れて自由の身となり、ヒルドにアプローチをし始めた。  ヒルドも照れながらも受け入れてくれて、このまま婚約して結婚、という流れになるのかと思っていた…………  私が14歳のある日、お父様のお仕事に付いて行って、ヒルドが王宮に来ていると聞いたから探しに歩いていた時の事…………美しい中庭で歩き疲れて休んでいたら、ヒルドの友達と名乗る伯爵家の令息が声をかけてきた。  ヒルドのお友達だし、愛想を振りまいておいた方がいいかなと思った私は、笑顔で対応していた。  するとその令息は気をよくしたのか、どんどんせまってきて…………ベンチで押し倒されて、力で組み敷かれて………………あの時の事は今も思い出したくないわ。
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