友達を守りたい ~ステファニーSide~

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 辛うじてファーストキスは守り通したけど、令息が触れたところが汚くてたまらない。  ヒルドが駆けつけて、令息を殴り飛ばし、私を守ってくれて…………やっぱりヒルドは私の王子様だと思った。でもその後の対応を私は間違ってしまう。自分が汚い者だと思ってヒルドの手を払い退けてしまって…………  その日からヒルドは、私に一切触らなくなった。  近くにいるのに一番遠い――――――  そして月日が流れ、テオドールの元に可愛らしい王女がやってくる。でも彼はなかなか会わせてくれなくて……14歳で敵国から嫁いできた姫の事をとても大切にしている事が私にも伝わってくる。  そんなテオドールを見ていると、とても羨ましく思えた。そんな風に大切に想えて、全力で守りたいと思える人に出会える事は幸せな事だから――  私にもいるはずなのに……私は完全に機会を逃してしまったのね。私の王子様は未だに私に触れてくれない。  テオドールが珍しく姫の事で悩んでいるから、悩みを聞きに行ったら、ヒルドを見ているみたいで胸が痛かった。彼らには私のようになってほしくない…………お姫様も本当に可愛らしい女性だった。
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