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「当たり前でしょ?友達の窮地を見過ごす人間がいると思って?その子を置きなさい!」
私が大きな声を出したと同時に男がロザリアを抱えながら走ってきて、突進してきたっ――
私は護身術を習っていたので、何とかかわしたのだけど……ドレスが重くてバランスを崩す――逃すものか――――咄嗟に男の足にしがみつき、時間を稼ぐ。男は私を引きずった状態で扉から出て行こうとする。
「…………っく…………放せ!」
「っ放すものですか!誰か――!!」
男は足を思い切り振り払って、私を廊下の方へ吹っ飛ばした。私は床に打ち付けられて身動きが取れなくなる…………そこへホールからの両開きの扉が開き、ヒョコっとヒルドが顔を出した。
「ヒルド!あの男がロザリアを!!」
男はヒルドの存在を確認してマズイと思ったのか、ロザリアを抱えて走り去ってしまう――――
ヒルドはすぐにその場からテオドールに伝えて、テオドールが男を追っていく――ヒルドは倒れている私の元に駆けつけてくれた…………
「ステファニー!どこか打ち付けたのかい?!どうしてこんな事に…………」
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