妻の為に… ~テオドールSide~

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 ヒルドに言伝を頼んだが私が戻ってきたらしい…………そういう事なら仕方ないな。社交界では友人関係も大事だ、ステファニーとサロンでお喋りをしているうちに人が集まってくるだろう。そうしてロザリーに友人が出来ればいいな、くらいに思っていた。  しかし、ヒルドがステファニーに会いに行き、私もロザリーの顔を見ようと後に続いていたところ、状況が一変する――――  「テオドール!ロザリアが!!」  「?!」  私は急いでホールの扉から出ると、ステファニーが倒れ、遠くに男が走り去っていくのが見える。まさかあの男がロザリーを……  無我夢中で追いかけたが、男の姿は闇夜に消えて行った………………しばらくその近辺を探したが見当たらず、このまま探していても時間の無駄だと判断した私は舞踏会に戻り、陛下に今起こっている事態を告げる事にした。  廊下ではヒルドがステファニーを抱き上げ、客室に連れて行こうとしていた。  「ステファニーは大丈夫か?」
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