失踪した王女殿下

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 …………レナルドの言う事が未だに信じられずにいた。確かにお母様は娘の目から見ても美しくて、儚い人だった。リンデンバーグの何もかもを嫌っていらして…………    「陛下はありとあらゆる手を使って探しましたが見つからず…………見つけた時にはベラトリクス様はリンデンバーグでご病気になっていて、もう先が長くない状態だったのです」  「…………お母様は私が10歳の時に亡くなられたわ。私たち親子は私が7歳くらいまで、城の北の塔から出る事は許されなかったし、何か行事がある時以外はほとんど幽閉状態だったから…………私はなぜこんなに外に出てはいけないのか分からなかった。もしかしてその事があって、お父様は外に出さないようにしていたの?」  「おそらく…………陛下も何年も探し回りましたが、手掛かりが全くつかめませんでした。ようやくベラトリクス様を見つけた陛下は、リンデンバーグに返すように働きかけたのです。しかしリンデンバーグからは、あなた様を置いていく事が条件だと言ってきた。陛下もベラトリクス様もそれは拒否しました…………そして交渉は決裂し、戦へと発展していったのです」
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