全てを終わらせる ~テオドールSide~

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 「……たとえどんな外道だとしてもあの子にとっては、リンデンバーグの国王は父親なのだ。母親の母国と父親の国が、自分のせいで戦争などと……そんなものを背負わせてはいけないと私は判断した。その為に多くの民の血が流れたとして…………あの子が自分の身が助かって喜ぶとは到底思えん……」  「…………………………っ」  私は目を伏せ、考えた…………そうだ、彼女はそういう人間だ。私は陛下の思慮深さに敬服した。  「……陛下が争いを避けていたのは、全てロザリアの為だったのですね…………」  「それもあるが、ベラからの遺言でもある。我が国の密偵がリンデンバーグに潜入し、ベラの元に行くともう息も絶え絶えの状態だった。最後の力を振り絞って、これ以上戦いで不幸な人間を増やさないでほしいと……言伝があった。私はそれを守りたかった。彼女を守ってあげられなかったからな…………リンデンバーグと我が国との戦で、ベラは体だけでなく、心も疲弊してしまったのだと理解した時にはもう遅かったのだ……」  「陛下…………ロザリアと私の結婚を許可したのは、なぜですか?」
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